<パイナップル黒髪ばかり褒められて 広瀬恵美子>
褒められるのを嫌がる女性はいないでしょうけれど、髪ばかりを褒められるってのも ちょっとどうなのよ?という心境かと、男のあたしにも察しがつきます。 パイナッポーは英語ですが、中国語では鳳梨、フランス語ではアナナあるいはアナナース。 PineのAppleだと言われても林檎には見えませんし、梨とも違うミテクレですよね。 アナナースなんて言われた日にゃ、穴の開いた茄子かと思っちまいます。 あたしがガキの時分には、缶詰のパイナッポーもたいそうなご馳走でした。 実を食べた後に残った汁をゴキュゴキュ飲んで、嬉しかったなぁ…。 それはそれで手軽ですし悪くはないんでしょうけれど、やはりコレですよ。 <続きはこちらから> |
<草いきれ尾さばきもなき馬の後 能村登四郎>
昨日の第74回日本ダービーを勝ったのは、「ウオッカ」という名の牝馬でした。 名前の通りにパンチのある馬体と走りで、男共を一蹴して栄冠を勝ち取りました。 府中のターフに草いきれがあったかどうか、テレビ越しには察しかねましたが、 ウオッカの尾はだらしなく垂れ下がるようなことはありませんでした。 レース中は走ることに全力を上げ、レース後はグッと胸を張っていました。 牝馬にしては大柄なのですが、気品溢れる素晴らしい容姿の持ち主です。 夏にしばしの休息を取ったら、秋はヨーロッパのレースに向かうそうです。 東京両国の国技館では、草いきれならぬ人いきれが大変だったことでしょう。 前日の14勝目で優勝と横綱昇進を決めた東正大関の白鵬が、不調の横綱 朝青龍を下して15戦全勝で優勝と横綱昇進に花を添えました。 昨年の名古屋場所の優勝後に横綱昇進を見送られ、翌九月場所では自滅。 十一月の九州場所は怪我で休場という苦難を乗り越えての横綱昇進です。 今場所の相撲は15日間通して質が高く、またどっしりとした安定感もありました。 相撲の幅が広がっているのもたいしたものですし、貫禄もついてきています。 逆境は人間を強くするのでしょうが、それに押しつぶされてしまう者も多いのが現実。 22歳2ヶ月の若さでの横綱昇進は見事の一言で、今後の充実も大いに期待されます。 横綱昇進直後は公私になにかと忙しいので、稽古不足になりがちなのが唯一の心配です。 その意味では暑い七月の名古屋場所の土俵が大切で、今場所のような気合に満ちた相撲を、 そして正々堂々とした横綱相撲を、また土俵上に展開してもらいたいものだと思います。 強い者には、心からの賛辞と惜しみない拍手を贈りたいと思います。 本当に強い者は、相手に対してだけでなく自分に対しても強いはず。 ウオッカにも白鵬にも、今の己に満足することなく更なる高みを目指して欲しい。 願わくば、それぞれの夏が更なる飛躍の序章にならんことを。 おめでとう、ウオッカ。 おめでとう、白鵬。 え~っと、馬の人とモンゴルの人、日本語通じてまつかー?( ゚^∀^゚)σ゚。 |
<鯵くふや白地のさむき二三日 加藤楸邨>
普段は海底に生息する鯵、初夏になると産卵のために沿岸に群がってきます。 産卵前が旨いのはどの生物にも共通する理屈で、鯵もこれからが味の乗る季節です。 五月とはいっても「白地を寒く感じる」日があるのはいたし方のないことで、 そんな日には、好物の刺身やたたきでなく、加熱調理を選ぶことになります。 ![]() 尻尾を切り落としてあるのは鍋に収まらなかったから、 煮上げるのに25分ぐらいかかる大物でした。 切り身の煮付けと違って、骨付きは時間がかかります。 煮足りないと生臭いので、しっかり加熱します。 鯵は新鮮そのもの、心臓も肝臓も脳天も目も食べました。 ![]() 煮上がりから逆算して投入、煮ている時間は5分ほどです。 鯵を煮るのに葱と生姜も使っているのですが、 牛蒡が入ると入らないとでは出来上がりに大きな差が出ます。 鯵だけでは出せない奥行きが加わるとともに、 牛蒡が鯵の旨みを吸って極上の美味になります。 今回の牛蒡は脇役には違いないのですが、絶対に欠かすことのできない名優です。 こういう使い方をするのであれば、野菜嫌いのあたしも喜んで食べるんですよ。 生姜にも同様のことが言えるのではないかと思います。 生姜は鯵との相性が抜群なので上手に使いたいところですが、 「お初っ!」の記事に書いたように、扱いの難しい薬味だと思うんです。 そこで今回は、千切りにした生姜を水に晒しておきました。 で、好みの加減に辛味が抜けたら、水気をよ~~く切ります。 これだけてんこ盛りにできるのも辛味が薄くなっているからなので、 煮汁にからめて食べると、それだけでご飯が食べられる旨さです。 日頃は野菜嫌いを宣伝しているあたしですが、食べられない野菜はありません。 どの国のどんな種類の野菜でも食べることができます。 ただ、必然性のない調理や食べ方がイヤだという話なんです。 もちろん、不っ味い(マッズイ、と読んでくださいね)素材は論外です。 ああ、言いたいことを吐き出したら、すっきりしたー。 鯵と共に牛蒡を食べましたので、2~3日は野菜を食べなくてもいいかな。 |
<夏場所やもとよりわざのすくひなげ 久保田万太郎>
大相撲の本場所は、その昔は一月と五月の年二場所で行われていたそうです。 年六場所制になった今でも五月場所(昔は夏場所)には重い伝統があるので、 一月場所(昔は春場所)と並んで俳句の季語に加えられています。 朝青龍も白鵬もずいぶんえげつない稽古をつけていたようですが、 その白鵬の綱獲り再挑戦が今年の五月場所の最大の話題ですね。 今日は100回目の母の日ですが、西洋の行事には相変わらず興味のないあたし。 まずは五月場所の初日を楽しむことにいたしやしょう。 先日、街で出っくわした光景を携帯カメラで撮りました。 タイトルの「めっこり」以外の言葉が思い浮かびません。 続きをクリックするといきなり画像が出ます。 <続きはこちらから> |
<あぶらとり一枚もらふ薄暑かな 日野草城>
夏のまだ浅い時期に、いくばくかの暑さを感じる頃を薄暑といいます。 薄暑などとは言っていられない時ならぬ暑さに、あたしの脳味噌はメルトダウンです。 ちっと前の記事で、あたしの脳味噌の一部をご披露しました。 あんなことを書きますと、 「新三のバカタレはしょっちゅうああいったくだらないことを考えているのか?」などと 怒りにも似た疑問を持たれる方もおいでになるかと思いましたので、 今日はちょいとばかりその補足説明をしておくことにいたします。 結論から申し上げますと、あんなことをしょっちゅう考えているのではありません。 しょっちゅうではなくて、いっつも考えているんです。 のべつ幕なしってやつです。 四六時中ってやつです。 … …… インディアン、臼ツカナイ。 (註訳:インディアンは臼で餅を搗かないものだ) 例えばあの後、次のようなことを考えておりました。 <続きはこちらから> |
<プラタナス夜もみどりなる夏は来ぬ 石田波郷>
一昨日5月6日は二十四節気のうちの一つ、立夏でした。 立春の日には、やれ春が来たとか、暦の上ではどうのこうのと大騒ぎ、 それが立夏となると全体的に自粛気味なのが滑稽に思えるあたしです。 立春を取り沙汰するなら、せめて立夏立秋立冬も騒げよ、世のアホタレども。 ゴールデンウィーク突入後こどもの日までの何日かの間、 商店街やスーパーなどではそれに因んだ音楽が流れていました。 金太郎や桃太郎が流れるのは、強い男の子になって欲しいという大人の願いでしょうか。 さてその桃太郎の歌なんですが、一番はみなさんよくご存知のことでしょう。 ♪も~もたっろさんも~もたっろさぁ~ん おっこしぃにつっけた~き~びだんごぉ~ ひっとつ~わったしぃにくっださぁいなぁ~♪ ここで、質問です。 ズバリ、二番は? <続きはこちらから> |
<鯉幟立つべき緑ととのひぬ 後藤比奈夫>
端午の節句にまつわる季語はさまざまですが、今ではいずれも夏の季語です。 新暦では、鯉幟を掲げる頃には野山も鮮やかで爽やかな新緑に染まり、 吹き渡る風までもが春秋に富む男児のお祝い事に相応しい様相です。 ところで皆様、この曲を三番まで歌えますか? ♪い~ら~か~~のな~み~と~ く~も~の~な~み~~… <続きはこちらから> |
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