「おはぎ」と「ぼたもち」


<南無秋の彼岸の入日赤々と 宮部寸七翁>
秋のお彼岸に入りましたが、皆様は、おはぎを召し上がりますか?
はたまた、ぼたもちを召し上がりますか?
おはぎぼたもちの違いって、一体全体何なのでしょう。
粒あんおはぎこしあんぼたもちという説もありますよね。

秋は萩の花が咲く季節なのでおはぎ、春は牡丹の季節なのでぼたもち
同じものではあるけれど季節で呼び分けるのだと、あたしは偶然知っておりました。
ところが人間というのは不思議なもので、このようにそれらしい説明を受けると、
ことのすべてを飲み込んだような錯覚を起こしてしまいがちなんですよね。
そこで、知識のマンネリを突破すべく、改めて調べ直してみました。
そんなこと調べている暇はないという横着な忙しい貴方っ!続きをどうぞ。

でも、長いですよ。(笑)
秋に収穫する新物の小豆は皮ごと粒あんにしても柔らかく食べられるので
この時期のおはぎ粒あんを採用することが多かったようです。
春のぼたもちの頃には冬を越した小豆の皮は硬くなっていますので、
こしあんにして食べやすくすることが多かったということが分かりました。
多かった、と過去形にしているのには理由があります。
今は保存も流通も発達していますので、小豆をいつでも同じ状態で
食べることができるようになっているからです。
また、おはぎは萩に似せてやや細長く小振りに作り、ぼたもち
牡丹に似せて丸く大振りに豪華に作るのだということも分かりました。
そして、現在ではどれも通年おはぎで通っているということも分かりました。

さらにあたしの知らなかった面白いことも分かりました。
春と秋だけでなく、夏と冬にも違う呼び名があるというのです。
おはぎの中身のもち米は餅と違ってペッタンペッタン搗きませんよね。
で、あれを「搗き知らず」という呼び方をするのだそうです。
ここから、あたしの大好きな語呂合わせが展開されます。
夏は「夜船(よふね)」と言うのだそうです。
夜の船は「いつ着いたか分からない」ということで「着き知らず」という洒落。
冬は「北窓(きたまど)」と言うのだそうです。
同じ「搗き知らず」を「月知らず」と洒落て、月の見えない北側の窓。
素晴らしい感覚だと、ただただ唸るばかりです。
春から順に並べると、ぼたもち、夜船、おはぎ、北窓ということで
四季折々の景色豊かな日本ならではの言葉ではありませんか。
(ネット検索のありがたさにも感謝しなければ…)

あたしは呑み助なので、おはぎを食べることは滅多にありません。
でも、こんな面白い話なら、秋の夜長に酒のツマミとするに足ります。
暑さ寒さも彼岸まで、深まる秋を静かに味わいたいものです。



2006 / 09 / 21 ( Thu ) 12:02:20 | 美味しいもの | トップ↑
| ホーム |