大根の鶏そぼろあんかけ


あんかけ続きですが、前回と間隔があるのでいいことにしてしまいましょう。

大根 冬場に大根というとまず「ふろふき」ですが、
 これはその変化球というところです。
 ふろふきは精進ですが、これは肉入り。
 鶏の挽肉でそぼろあんを作って
 それを大根にトロリとかけてあります。
 濃度のあるものは、熱くていいですね。

このようなざっかけない料理にも、それなりのポイントはあるものです。

そぼろあん そぼろあんをアップにしてみました。
 ポイントというのはまさにこのそぼろあんで、
 挽肉の扱い方がその中心です。
 鶏の挽肉というのはアクのかたまりで
 そのアクをどうやって取り除くかが眼目です。
 その前に大根の調理法も述べておきます。

輪切りにした大根は皮を剥くのですが、この時皮を厚めに剥きます。
大根をよく見ると皮のすぐ下に太い繊維があるのに気付くはずです。
ここが固いので、そこまでごっそり剥いてしまうと軟らかく煮えます
皮がもったいなければ漬物か何かにすればいいので、ここは豪儀に剥いてください。
剥いた大根は煮崩れを防ぐために面取りをしますが、ご家庭では不要かもしれません。
一手間かけるのであれば、食べやすさを考慮して十文字の隠し包丁を入れるといいですね。
米のとぎ汁、なければ水に米を一掴み入れて大根を水から茹でます。
ここで完全に軟らかくしてしまうのが案外重要で、後からまだ煮るからと
加熱を中途半端に終えてしまうと芯が煮えずにゴリゴリになってしまいます。
軟らかく茹で上がった大根は流水でよく洗い、糠臭さや米臭さを取り除きます。
これを昆布だけのダシでゆっくりじっくり煮含めたものが写真の大根です。
ここで鰹節のだしを使ってしまうと味がくどくなり過ぎていけません。

さて本題のそぼろあんです。
鶏の挽肉を煮ると、大量のアクが次から次から出てくるのはご存知でしょうか。
それをすくい取っていると、煮汁がなくなってしまうことにもなりかねません。
そこで、あたしが用いる方法をご紹介しようと思う次第です。

鍋に鶏の挽肉を入れて、そこへ酒をドボドボと流し込みます。
菜箸を数本束ねて持ち、挽肉をほぐすようにグルグルかき混ぜます。
肉がバラバラに散った感じになったら、ここではじめて点火します。
酒だけで煎りつけるようにして、手を休めずにかき回し続けます。
こうすると、アルコールの揮発に伴ってアクも消えてくれるんですよ。
初めのうちは白濁したように見える酒が、だんだん澄んできます。
そして水分が減ってきてほぼなくなった頃合を見計らって火を止めます。
ここまでの下準備を丁寧にすれば、もう美味しいそぼろあんは約束されています。
昆布とカツオのダシを入れ、お好みで味をつけます。
標準的な分量は、醤油と味醂がそれぞれ1に対して、ダシが8~10です。
間違っても砂糖は入れないでください、料理がブチ壊しになってしまいますので。
煮る途中で少しはアクが出ますが、これはオタマですくえるはずですし、量も知れています。
煮立って味の最終調整をしたら、片栗を引いてあんにします。
(片栗の扱いについては、前回の記事をご参照ください。)
最後に生姜の絞り汁を少しだけ入れて、透明なそぼろあんの完成です。

昆布ダシで熱くした大根を器に入れて、そぼろあんをお好みの量だけかけます。
葱などは全く不要で、香りの強いもので大根のほのかな甘味を殺してはいけません。
手のかかるそぼろあんも所詮は大根を引き立てるためのものなのであって、
こういった料理の場合は、常に大根が主役でなければなりません。



2006 / 11 / 26 ( Sun ) 14:08:31 | 日本料理 | TrackBack(0) | Comment(9) | トップ↑
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コメント
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こんばんは!
今日、茨城の母からまたお野菜とりんごが届きまして、立派な大根も2本入ってきました。
今夜は昨日から予定していたおでんにまずはその大根を~。
はい、面取りをして十文字の隠し包丁をして、米のとぎ汁で下茹でしておきました~。
↑にも書かれている通りにしていたので、まずはホッ!(笑)
折角の美味しそうな大根なので、今度は、この鶏肉のそぼろあんかけにも挑戦しなくては~。
厚く剥いた大根の皮はきんぴらも良いですね!
でも、今日のところは我が家の犬の晩ご飯に娘が使いました。(笑)
新三さんも ピンク使い ですね♪(*^^*)
名前: シルフィー #UVEHx0xA : 2006/11/26 17:11 :URL [ 編集] | トップ↑
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え~?! 砂糖なしですかっ?! ぁ、みりんが入ってるからいっかw
お酒がポイントなんですね。 鶏ミンチってあまり使わないけど
これを知ってれば美味しく出来そう(うっしっし)
名前: R* #cDvBsRdY : 2006/11/27 12:12 :URL [ 編集] | トップ↑
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はじめまして。
とってもおいしそうな料理たちですね。家庭でも出来るようにレシピなどのっていて、さっそく作ってみようとおもいます。
晩御飯のヒントにまた遊びに来たいのでリンクさせてもらってもいいですか?
よろしくおねがいします。
名前: sakura #Z3Uyb/tg : 2006/11/27 16:13 :URL [ 編集] | トップ↑
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わ~~~~~!!!
そうだったのですか!
鶏挽肉のあく取りの必殺技GET!
やってみます、やってみます!
でも、この大根は自分で作らず、これを食べたいです。
この写真のこれ!
名前: kasuga #- : 2006/11/27 16:14 :URL [ 編集] | トップ↑
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皆さん、お返事が遅くなりましたこと、お詫びいたします。
シルフィーさん
>面取りをして十文字の隠し包丁をして、米のとぎ汁で下茹で
あたしは今、感動の嵐に襲われています。(大袈裟?)
ご家庭でここまでなさる方は、そうそうありませんよ。
出来上がった料理がキラキラと放つ品格というのは、
実は下ごしらえの段階で決まってしまうことが多いんです。
鶏の挽肉を酒で煎りつけるのもそのためです。
必要な段階を踏まないと、純度の高い味は得られません。
R*さん
あたしは野菜嫌いですけど、旨いものは好きなんですぜ。(笑)
例えばこの大根、もちろん味見も込みで一つ食べました。
大根の持ち味が昆布のダシと合わさったところに、
鶏挽肉の穏やかな旨味がプラスされて上々の味わいです。
大根とあんのどちらかに砂糖が入っていたら、台無しです。
いり鳥や肉じゃがなら砂糖も使わないではありませんが、
野菜の料理には極力使わないようにしています。
sakuraさん
初めまして、ようこそおいでくださいました。
あの~、カミさんがお世話になっているアノ方ですよね。
実はあたし、レシピらしいレシピはあまり掲載しないんです。
レシピはあくまでも一つの目安に過ぎませんからね。
もし、レシピを併記していない料理のレシピがご入用でしたら、
どうぞご遠慮なくお申し出ください。
ご希望に添えるように、数字を出しますので。
リンクの件は、歓迎です。
とろい更新ですが、ぜひまた遊びにいらしてください。
kasugaさん
今回の料理、手間だらけの料理なんですよ。
写真を見ると大根にあんがかかっただけのものなんですけど、
記事に書いた通りの手間ひまがかかっています。
手間自慢をする気はさらさらありませんが、
こういう料理が美味しくできたときの快感は格別です。
あたしが言うのも妙ですが、食べたくなるお気持ち分かりますよ。
あたしだって食べる専門の方がどんなに気楽か知れやしません。
料理人なんて因果な商売ですぜ、んっとに。
名前: 新三 #brXp5Gdo : 2006/11/28 15:29 :URL [ 編集] | トップ↑
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おはようございます!
新三さんに褒められて嬉しいシルフィーです。(笑)
昔、母が若い頃に住み込みで働いていた先で厳しく仕込まれた経験があって(お金持ちなのに、ご飯は毎朝雨の日も外で枯葉を集めて炊かされた!とか)、「大根は水から」とか教わりました。
本によっては、「今の大根はえぐみを気にしなくてもいいので水からじゃなくてもいいです~」なんて仰っている料理研究家の方のも見たことがありますが、お米もとぐのなら忘れずに使うようにしています。うっかり捨てちゃってΣ( ̄□ ̄|||) ガ-ン!という時もあるんですけどね。^^ゞ
で、今朝、滅多に見ない『はなまるマーケット』を見ていました。
「おでん特集」で、30分で仕上げるおでんを紹介していました。
そのお料理の先生は、大根の下茹での代わりに、「レンジで5分加熱するといいですよ」とのことでした。
で、本当にかなり厚く皮を剥いていましたね。
あれは絶対何かに変身させないと勿体無い。。。
それと、大学の先生のコメントも織り交ぜられていたのですが、下茹ではえぐみを取ることよりも、細胞組織を壊して味をしみ込みやすくする面の意味が大きいんだそうですね。
おでん専門店では下茹でを2時間もしている!そうで、こちらもビックリしましたが、また、一度火を止めて冷ました後に温めて戴くともっと味がしみ込んでいるそうで、何だか1日掛かりになるけど、長く煮るのは苦にならないんですよ。コンポートとかジャムとか甘露煮とかおせちの黒豆とか~。
時間があれば今度やってみてもいいかな?と思いました。^^
名前: シルフィー #UVEHx0xA : 2006/11/29 10:52 :URL [ 編集] | トップ↑
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そういう経緯だったんですね、シルフィーさん。
細かい作業の理由がよく分かりました。
下茹ででえぐみを取るって、考えたら変な話ですよね。
ゴボウみたいなものならともかく、大根は生で食べられるでしょ。
えぐいもへったくれもないと思うんですよね。
でも加熱すると大根臭さが出てくるのも事実。
料理人はそのあたりに心を配るのですが…。
煮物は冷める時に味が入るというのは常識ですね。
もっとも、そんな常識も通用しないのが今日の家庭事情。
おかげで怪しい「料理研究家」が跳梁跋扈してますね。
シルフィーさん、いい料理を手作りでお願いしますぜ。
名前: 新三 #brXp5Gdo : 2006/11/29 21:20 :URL [ 編集] | トップ↑
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最近、気持ちに余裕がなくったのですが、だいぶ落ち着き久々に拝見しました。
鶏のあん、なるほど~って感心です。ほ~って思うとやってみたくなる私。
近々チャレンジしてみます。(しょうが焼きもまだ作ってないのに・・・)
こういう料理は、シンプルだけに手を抜いちゃいけないなぁって思いますね。
私は手抜きも大好きですが、何の為にそれをするのかわかった上で、
自分の好みに合わせて省くか省かないか考えたいと思ってます。
大根はあの大根くささが嫌なので、絶対下茹でします!
名前: えす #- : 2006/12/01 16:23 :URL [ 編集] | トップ↑
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大根の下茹で、シルフィーさんもコメントされていますが、
2時間ぐらい茹でることもあるんですよ。
それを、洗うだけではなく、さらに水から茹で直して
米や糠の臭さを完全に除去してしまうんです。
そういう処理をしたものをダシで煮含めて、放置。
一晩越して味が滲みたら再度温めてようやく供出です。
マルシェでは、ここまでのことはできません。
大根一つで1000円ぐらい貰わないと引き合いませんもの。(笑)
そんなに払ってくれるお客さんはいません。(T▽T)
えすさん、色々大変そうですね…。
でも、きっとご自分の力で乗り切ってくださいね。
名前: 新三 #brXp5Gdo : 2006/12/01 18:29 :URL [ 編集] | トップ↑
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