またしても、


またしても、眠らぬ夜を過ごしてしまいました。
今日は酒を飲まないと決めていたので、夜が長うございました。
先ほど、やや長い揺れが二度に渡ってやってきました。
東京でこれぐらいだと、震源に近いところではどうなんだろう?
ついつい、そんな考え方をするのも習慣になりつつあります。

昨日、時代劇チャンネルで「高瀬舟」をやっておりました。
あたしはどうも原作を読んでいないような気がしたもんですから、
ネットの恩恵に与って青空文庫でちゃっかり読んできました。
(参考までに、口語に直されたものはコチラ
やはり読んでいなかった気もしますし、読んだ気もします。
それはともかく、この有名な森鴎外の短編は、二つのテーマを有します。
後半部分で展開されるのが「安楽死」、鴎外は医者でもありました。
ですが、今日のあたしは前半部分にことさら強く惹かれました。
前半部分のテーマは、「足るを知る」ということです。

人間は、業の深い生き物です。
贅沢がしてみたいと思ったり、人を羨む気持ちを持ったりします。
子供は自分の思い通りにならないと泣き叫んで駄々をこねますが、
大人になったってそれを表面に出さないだけで中身は大差ありません。
そして、大人になればなるほど、言い訳が上手になっていくものです。

そこへいくと、高瀬舟の喜助は実に澄み切った心境にあります。
無我の境地というか、悟りの境地というのか、一切の力みと無縁のようです。
自分をきっちりとコントロールできていると、あたしには感じられます。
庄兵衛が自分の境涯と引き比べるところなどはいよいよ面白く、
むしろ庄兵衛がうろたえているような様子さえ浮かび上がってきます。
鴎外の筆致は常に重厚で格調高いものの、内容は現代の我々にも通じます。

これだな、と思いました。
今、東京にいる自分が、被災地の人を思い遣るということ。
金品の援助、これが必要なのは言わずもがな。
それと同時に、あたしたちが雑念を取り払って穏やかな生活を送ることが、
実は被災地の人たちへの大きな励ましになるということです。
高瀬舟を幾度か読み返して、あたしはそれを確信しているところです。
「足りている自覚」を持てば、ないものねだりなどできません。
いえいえ、しないのではなく、その気にさえならないはずです。
物を欲しがったり人を羨んだりするのは、雑念を去ることができない証拠なんですね。
喜助に、人間のある一つの理想を見る思いがします。

夜っぴて起きていたご褒美だかなんだか、興味深いサイトを見つけました。
最後にリンクを置いておきますので、ご用とお急ぎでない方はクリックどうぞ。
Japan:One week later というタイトルで25枚の画像が置かれています。
どれも写真として素晴らしく、画像が言葉より雄弁であることの好例です。
ただし、17枚目は涙なしには見られません。
クリックは、心とティッシュの準備を万全にしてからにしてください。

では皆様、心穏やかな一日を過ごされますように。

http://www.boston.com/bigpicture/2011/03/japan_one_week_later.html
2011 / 03 / 24 ( Thu ) 08:05:40 | 日記 | TrackBack(0) | Comment(2) | トップ↑
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コメント
タイトル:そうですね。

いや、ほんと、毎日が幸せです。
こんなにも幸せだったとはね、と思いました。

17枚目は胸がつまります。
ビートたけしが、「2万人が死んだ事件じゃない、1人が死んだという事件が2万件起きたんだ」というような主旨のことを言ったそうです。
べつにたけしファンでもなんでもないけど
これには頭が下がりました。
名前: momuzou #- : 2011/03/28 00:11 :URL [ 編集] | トップ↑
タイトル:こんちは。

モムちん、お元気?
あたしなんかは酒さえ飲めればそれで幸せですから、
普段もこういう時も大差ない気もしますけどね。
ただ、あれこれ考えさせられるのは間違いない訳で、
日頃は最大公約数的な生活をしているんだと感じました。
それ自体は悪くないんですが、どうしても思考の深みに欠けます。
最近は、自分を見つめ直す日々を送っていますぜ。

居酒屋で飲みながら見つめ直すのに付き合ってくだされや。
名前: 新三 #brXp5Gdo : 2011/03/28 10:31 :URL [ 編集] | トップ↑
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