ベクトル


<ビヤ樽に颱風前の雨ぎっしり 秋元不死男>

ビヤ樽なんて、今や太っちょ男子の体形にしか使いませんね。
かく言うあたしも、そのビヤ樽的な腹をもつ一人ではありますけど。
皆様、台風の被害を受けておいででないとようございますが。

先日、ツイッターで妙なツイートを見かけたんですよ。
すき家のカレーと松屋のカレーを比べて、
「ベクトルが違う」と表現されていました。
それに対して、
「正反対ですよね」という返事がくっついてました。

な、何ごと?

高校時代に真面目に数学をやった人なら、疑問を持つはずです。
最近「ベクトル」という言葉が使われるときは、
「方向だけを指しているケースが圧倒的に多い」んです。
ところが線形代数の根幹をなす「ベクトル」には、
「向きだけでなく大きさも同時に備わっている」んですよね。
方向が同じでも大きさが違えば、それは別のベクトルということになります。

カレーの話では、味の方向性や指向を表現する手段として用いたのでしょうが、
「大きさ」について触れられていなければ「ベクトル」という言葉は誤用です。
「向き」だけを問題にするのなら「ベクトル」などと言うべきではありません。
難しい数学用語を使えることを自慢したいのか何だかさっぱり分かりませんが、
言葉の本質を理解せずに軽薄に用いるのは無知と無理解の宣伝でしかありません。
試みにウィキペディアを開いてみると、 

 「空間における、大きさと向きを持った量」の意味から転じて一般的に、
 方向性、矛先などの意味でも使われる。例:好奇心のベクトルが伸びる。

とまあ、こんな記述があります。
言葉は時代と共に変わるものですが、言葉の輪郭が曖昧になるのは困ります。

方向・指向と言えば済むのに、なぜ「ベクトル」と言うのか?

これは、そういう言葉づかいをする人への警鐘でもあるのですが、
翻って自分を顧みたときの譲りがたい戒めでもあるのです。
そういう意識を失ってしまったら、「自分の言葉」は終わってしまいますんで。
2011 / 09 / 04 ( Sun ) 10:24:36 | 日記 | TrackBack(0) | Comment(2) | トップ↑
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コメント
タイトル:単に

語彙力と表現力の欠如でしょうかね...
短絡的かもしれませんが、書物を読めと言いたいw
名前: reiem_amyu #- : 2011/09/05 21:15 :URL [ 編集] | トップ↑
タイトル:お、今晩は♪

最初に使った人は、けっこうアイディアマンですよね。
でも何の考えもなしにそれをなぞるバカが多くて困ります。
言葉は、自分の心や腹の底から出るべきものです。
その訓練として読書が必要なのは言うまでもありませんね。

あと、酒を飲むと言葉は豊富になりますよね。(笑)
名前: 金井義衛 #brXp5Gdo : 2011/09/06 01:53 :URL [ 編集] | トップ↑
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