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大事なのは、ソースだった


<起きてみつ寝てみつ蚊帳の広さかな 加賀千代女>
「蚊帳」という夏の季語を持つ俳句をこの時季に引いたのには、理由があります。

あたし、川柳や狂歌が好きなんですよ。
この千代女の句に対して本句取りをした川柳があります。

<お千代さん蚊帳が広けりゃ入ろうか>
面白いと言えば言えますが、わざとらしい感じがしなくもありません。
夜這いをテーマにした割にはHっぽくないのは、17文字という字数のおかげです。
これでもう少し説明が過ぎると、おそらく「イヤらしいだけ」の川柳に堕します。
これはこれでひとつの形だとは思うのですが、もっと秀逸なのがあります。

<起きてみつ寝てみつ合わせてむっつかな>
何の意味もない数合わせで、3+3=6という、ただそれだけのことです。
それを大真面目に「むっつかな」と切れ字を使うところに飄々とした味があります。
それより上でもそれ未満でもない、みっつとみっつでむっつになるでしょという話。
こういう空とぼけた味わいは、川柳ならではのものだと言えます。
「入ろうか」と比べても、はるかに澄んだ境地が窺えて好感が持てます。

あたし自身、酒と洒落と冗談で肉体と精神の9割ぐらいが構成されていますが、
なかなかどうしてこういった境地には踏み込めない歯がゆさを感じます。
人間てのは、どこかでふっと肩の力を抜かなきゃやってられませんよね。

さて、ここまで書いたこと、これらは今思いついたのではありません。
少し前に、若い衆向けの教訓にするつもりで構想していたことです。
ところがその教訓、事情があって未発表に終わってしまったんです。

その事情というのが、だいぶ情けないんですけど…。

あたし、千代女の「蚊帳」の俳句を、小学校の頃から知っていました。
また、だいぶ後になってから、夫に先立たれた寂しさを詠んだ句と知りました。

しかし!





この俳句、千代女の作ではなかったんですね…。

若い衆に話をしようと思って改めて調べてみて、ようやく気がついたんです。
千代女の作だというのは誤説で、これは元禄時代の浮橋という遊女の句だそうです。
あたし、小学校からこの年まで、ただの一度も疑ったことがありませんでした。
小学生当時にそれを鵜呑みにしていたのは、致し方のないところでしょう。
あるいは、当時はそれが正説として扱われていたものかもしれません。
ですが、どこかで、これが千代女の句ではないと知る瞬間はなかったのでしょうか。
思い込みと不勉強、人が情報を誤ってしまう二つの要素が、ここに見えます。

この情報化の時代ですから、博識なんてのは大した役に立ちはしません。
博覧強記なんて言葉もありますが、情報の収集はネットで簡単にできます。
問題は情報をどのように咀嚼・消化して、さらにアウトプットにつなげるかなのです。
そのためにはソースとなる情報の信憑性が高いことが必須条件なので
アウトプットにつなげるのならなおさらその検証に時間を割くべきです。

ツイッターではしませんが、ブログを書く際には辞書を手元に置いています。
たいがい国語辞典と英和辞典を用意しているのですが、国語辞典を多用します。
それは、誤字はもとより、間違った言葉づかいを回避したいという思いからです。
そこまでしているのに、何で情報源の確かさに思いが至らなかったのだろう?
そう考えると、自分の甘さが浮かび上がるようで、暗澹たる気持ちに襲われます。

でも、気づいた。
もうしない。
「合わせてむっつ」の境地もいいけれど、その前にやることをやらないとね。

あえて恥を晒して、以て自分への戒めとするためのエントリ、これで終了です。
2011 / 11 / 21 ( Mon ) 15:43:00 | 日記 | TrackBack(0) | Comment(0) | トップ↑
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