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徒然草を思い出す


花はさかりに、月は隈なきをのみ見るものかは。(第137段)

私は、花見を好まない。
薄ら寒い中、地べたにござを敷いてそこで飲むなど考えられない。
経験が全くない訳でもないのだが、楽しいと思えたことはただの一度もない。
桜が嫌いということではないが、花としては梅の方が好きだ。
桜の開花を見て春が来たことを感じるよりも、漂ってくる梅の香りに、
近づきつつある春をいち早く見つけたいと思うのだ。
もともと花派ではなく団子派であることも原因の一つなのだろう。
筍やホタルイカを見かけると嬉しくなるのもそのせいに違いない。
花粉症であることも花見嫌いに拍車をかけている。

新宿に育てば、花見は新宿御苑と決まったようなものだ。
これは、三年前に記事にしてある
そもそも花見が好きでないのだから、そのために出かけるなど思いもよらない。
ただし、どこかへ出向いた際に桜が咲いていれば、それは見る。
たとえば、多摩湖の桜がそうだった。
実家が東村山へ引っ込んだ際に、たまたま知ったものだ。
全山これ桜…といった趣があり、それは見事なものだった。
堤から俯瞰できる景色は、まさに絵画的な美しさを有していた。

国立の桜も、偶然に知ったものだ。
国立へは、頼まれて家庭教師をしに行っていたのだった。
家庭教師を辞してからも桜のためだけに国立へ行ったことがある。
多摩湖の桜が自然美なら、国立の桜ははっきりとした造形美だ。
すっきりと区画された道路の両側に、高い木が整然と植えられている。
桜見たさに人が出て、この季節は道路の混雑も絶えないと聞く。

東中野の桜は、中野で暮らすようになってから知った。
山手通りから中央・総武線の線路沿いに200mほどの区間だが、
北側の土手に桜が連なるように咲いてなかなか壮観である。
そして、その足元にびっしりと菜の花が咲いているのが、いい。
私は無類の菜の花好きで、桜よりもこちらが主役と見ている。

東中野の桜と菜の花
<今回はどれもサムネイル画像、クリックで拡大します。>


さて、これを撮影した日のこと…。


どうでもいいようなことなのだが、ちょっとした事件があった。
撮影に都合のよさそうな階段があったので、上がってみた。
案の定具合がいいので、そこで幾度かシャッターを切った。
そして階段を下りると、二階から出てきた人が声を掛けてよこす。
「ここは住宅と事務所のビルだから、撮影のために入られては困る。」
まあ、そんなような内容のことを穏やかに言っているのだった。
「ここにちゃんと書いてあるので、見てもらえればわかる。」とも言う。
私は気づかなかったが、なるほど注意書きがぶら下がっている。
これは明らかに不法侵入だから、私に分などはあったものではない。
だが反省する一方で、また別のことを考えてもみた。

過去に、何らかの悪さをしたヤツがいたのではないか?

侵入だ窃盗だということではなく、立ち小便をしてしまうとか、
植木鉢を割ってしまうとか、ガムを吐き捨ててしまうとか、そういうことだ。
道徳観念を欠いた者があって、住人もいたたまれなくなったに違いない。
何もなければ笑って済ませることが、何かあったらそうはいかなくなる。
過敏になり、何事にも神経質になってしまうことは目に見えている。
そう思いながら周囲を歩くと、撮影に良さそうな場所には悉く注意書きがある。
アパートの階段には、ご丁寧にチェーンが掛けられていたりもする。
私のような不注意が積もりに積もって、こんな不人情を生んだのである。

花と中央線

やりきれないような割り切れないような、妙な心持ちだった。

菜の花ショット

「この木なからましかばと覚えしか」(第11段)

花に罪はない。
全ては人の業、それに尽きるのである。
随所にぶら下げられた注意書きを見ながら、私は独りごちたのだった。
2013 / 03 / 27 ( Wed ) 10:31:57 | 日記 | TrackBack(0) | Comment(0) | トップ↑
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