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シリーズ 「元気な病人」 第二話


一回目は昨年の秋、中学校の昼休みに起きた。
机に突っ伏していた遊がグズグズと椅子から床へ落ちてしまい、
そのまま意識を失って周囲の呼び掛けにも反応しなくなったのだ。
保健室に運び込まれてしばらくはそのままの状態でいた。
養護の先生からの電話で、親はその事態を初めて知らされた。

二回目はそれから間もない頃の下校途中、具合が悪くなって
歩道上にうずくまるようにしているところを近くの交番の巡査が見つけた。
ただ事ではない様子を察して救急車を要請し、家に連絡をくれた。
カミさんから連絡を受けたものの、当時私は昼の仕事をしていたので、
自分が病院に行ったりすることは不可能だった。
必要なだけの指示を与えておいて、仕事中に連絡を取ったものだった。

結果的には、どちらも大事には至らなかった。
保健室で、あるいは搬送先で、30分ぐらい休むと元に戻ったらしい。
二回目の時は頭を打っているといけないということで、脳波も取った。
だが、これといった異常はなく、点滴を受けて帰宅したのだった。

 「気を失う直前に、ぐうーっとダルくなってくるんだよ。」
 「もう、体中が金属になったみたいに、重たーーい感じになるんだ。」

本人の談話である。
そして、気を失う時に、フラッシュのような映像が見えるという。
それは「過去の嫌な思い出の再現」で、たとえば猫が死んだ時のことや、
友達とトラブルになって困ったときのことなどがプレイバックされるそうだ。
そして、それを裏付けるかのような興味深い証言がある。
教室で倒れた時に居合わせた複数の友人が確認していることなのだが、
「瞼を閉じているのにその瞼越しにはっきりと分かるぐらい
そうとうなスピードで目玉が上下に激しく動いていた。」というのだ。

意識が戻ったらすぐにシャッキリするというものでもないらしい。
しばらくはぼんやりしてしまうのだが、時間の経過と共に治る。
おさまってしまえば、特にどこがどうということもない。
遊ぶし、食べるし、寝る。
嫌な思い出が蘇るという点が気になったのか、養護の先生が
精神科を受診してみたらどうかという提案をしてくださった。
本人も乗り気で適当なクリニックを探したりもしたのだが、
そうこうするうちに受験のピークになってしまった。
また、症状が鳴りを潜めてしまったので急ぐ必要もないと思われた。
喉元を過ぎて熱さを忘れた訳ではないのだが、高校生活が始まった。

そしてゴールデンウィークも終えた5月の平日の昼過ぎ、
めったに鳴らない我が家の固定電話が鳴ったのだった。
2013 / 09 / 13 ( Fri ) 15:31:22 | ガキンチョ日記 | TrackBack(0) | Comment(0) | トップ↑
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