料理人の、卵の割り方


まな板と平行には立たないとか、包丁の柄を洗うとか、
そういったことを料理人は習慣として身につけているのね。
やろうと思ってやるのではなく、自然とそうなっちゃう。
それはつまり、何度も何度もそういう風にしてきたからだよね。
家庭での調理は普通なら日に三度、夜食を入れても四度かな。
でもこれが店だとなると、四度の調理は四人のお客さんでしょ。
あっという間よ、ホントに。
もちろん四人分をあっという間に出すためには、仕込みが必要。
でも、家庭と店ではこなす数に圧倒的な違いがあるのが現実さ。
そこは埋めようがないんだから、家庭で無理するのは禁物だよ。

だけど、家庭で真似できることもあるからやってみたらどうだろう。
その一つが、卵の割り方。
鶏卵を割って料理することは家庭でもかなりの回数になるはず。
だから、正しい心構えの入り口としてはもってこいだと思うんだ。
例えば四人家族で卵を4つ使って卵焼きを作るとしようか。
そしたら、4つの卵は一つのボウルに順々に割り入れていくのかな。
料理人は、絶対にそういう横着はしないものなんだ。
4つ分のボウルは用意しておくんだけど、別に小さいボウルも出しておく。
その小さいボウルに1つだけ割り入れて、卵の確認をするんだよね。
まず、腐っていないかどうかを確かめるってわけだ。
卵は日持ちする食材だけど、腐っていることもあるにはある。
大きなボウルに3つ割って、4つ目が腐ってたら全部がおじゃんでしょ。
そうならないように、必ず一つずつ確かめるクセがついているのよ。
からざや血がイヤならこの時に取り除けばいいし、
殻そのものが入ってしまっても1つ割っただけなら取り出しやすい。
こうやって1つずつ確かめながら割ることを「割り玉」というんだけど、
これは実害を防ぐ意味以上に心構えをしっかり持つ意味合いが大きいな。
でも、これを面倒がるようでは他の料理への気遣いも知れたものだ。

次は、肉パックの話。

2018 / 03 / 01 ( Thu ) 15:09:59 | 日記 | TrackBack(0) | Comment(0) | トップ↑
食材を切ることの意味


台所に立つ人大半は、おそらく何も考えずにものを切っているはず。
でも、わざわざ切るからには、切らなければならない理由があるの。
大ぶりのステーキがどどーんと焼き上がったとするでしょ。
左手にフォークを、右手にはナイフを持って肉の左側から切るよね。
あれはどうして?
小さくしないと口に入らないから、そう正解。
右側から切ると何だか上手く切れないし食べづらいから、正解。
じゃあ切ってから焼けばいいんじゃない?って思うのも正解。
だけど、塊で焼いてから切って食べるほうが美味しいんだよね。
調理に必然があると同時に、食べ方にも必然があるんだわ。

ダイコンを煮るときは、大きく輪切りや半月に切るでしょ。
煮る時間も長いし、味の含みもちょうど良くなる大きさね。
だけど、味噌汁の実にするなら千六本に切る人が多いよね。
あれは短い時間で火が通るから、それが第一の理由。
あと、箸でまとめて束ねてつまむのに適しているってこともある。
ご飯に炊き込むなら、1cm角ぐらいのさいの目切りにするかな。
最初から一緒に炊くのではなく、沸騰したら入れるぐらい。
そうすると炊き上がってもダイコンの歯応えが残っていて、
シャクシャクした食感も存分に楽しめる出来上がりになるね。
歯の悪い年寄りなんかが食べたいというのなら、細かくする。
食材の状態や、食べる人の生理・健康、そういうのに合わせてね。

話がながくなっちゃったけど、料理人は切り方を揃えたがるでしょ。
あれは、味や熱が「均一に入ること」を求めているからなんだ。
太めに切ったダイコンと細く切ったダイコンに同じ調理をしたら、
そりゃ歯応えや味のしみ具合に差が出てくるのは当然だからね。
料理人てのは、そこが常に均質になるように心がけている。
だから、切り方にも必要以上に神経を使うってことね。
まな板との位置関係が大切だってのも、そこにつながっていく話。
でも家庭の台所なら、そんなに神経質になる必要はないと思うよ。
だいたい同じ、その程度で十分だよ。

次は食材の基本的な取扱い、卵の話。
2018 / 02 / 28 ( Wed ) 16:55:35 | 日記 | TrackBack(0) | Comment(0) | トップ↑
料理人のスタンス


料理研究家の怠慢ていうのは、ちょっとひどいんだ。
手軽な調理法を提示すれば社会に貢献したとでも思うんだろうね。
忙しい主婦の貴重な時間を、この方法でセーブできます!とかね。

 バカか

TVをだらだら観ていたりネットショッピングをしていたり
どっかのアイドルに入れ上げたり、そこを削ればいいだろ。

今回のタイトルは、「料理人のスタンス」。
これ、文字通りのスタンスなのよ。
まな板に対してどうやって立つか、そのスタンスなのさ。
悪い例として、TVに出てくる料理研究家を挙げておこう。
両足をまな板と平行にして立っている、お馴染みのスタイルね。
ああいう風に立つと、包丁がまな板に対して60°ぐらいになるのよ。
そうなると包丁がスムースに使えないんだ。
包丁は、常にまな板に直角になるように使いたいのさ。
そのためには、どうしたらいいか。

 右足を少し後ろに引く

左の腰がまな板に近く、右の腰がまな板から遠くなるね。
その状態で包丁を使えば、包丁はまな板に直角になってくれる。
これは、料理の上手い人と下手な人を区別する目安にもなるよ。
家庭のまな板は小さいから、そんなこと言っちゃいられない?
いやいや、小さいまな板でこそこの基本を守るべきなんだ。
包丁が直角に当たらないと、切りたいように切れなくなる。
極端なことを言えば、刺身はまったく引けない状態になるはず。
関節の可動域が、そういう風にできてるんだもの。

次は、もう少し踏み込んでみるよ。


2018 / 02 / 26 ( Mon ) 08:20:00 | 日記 | TrackBack(0) | Comment(0) | トップ↑
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